|
【商店街の中にある家庭の台所】をめざして
TMO手づくり食工房のキャッチフレーズは「商店街の中にある家庭の台所」。食は「生きること」の原点。「手づくり食工房」では、家庭でできる手作り料理にこだわり、手軽においしいものを、皆で作って皆で味わう喜びを体験してもらい、食の楽しさと大切さを市民に広げることを目的として、2005年10月にオープンしました。
店舗の事業内容の選定
市民が能動的に参加できる「交流拠点づくり」と「空き店舗対策」の複合事業として、商業・農業・文化・環境など、生活の質すべてに直結し関与している「食」を切り口とした店舗づくりを行ないました。この時期、全国的にも健康づくりの生涯学習「食育」が深く静かに広がり、2005年6月には食育基本法が成立しました。
事業内容
@中心的事業は平塚産食材を使用した料理等、家庭で手軽にできる「家庭料理教室」
A自分で作ったら案外簡単で美味しいことを伝えるための「加工食品づくり教室」
B食の発信基地として、食の講演会・産地見学会・平塚の食伝統の紹介等の開催
C平塚市の名産品・推奨品や村井弦斎商品の展示・販売並びに販売店舗の紹介
D観光マップ・広報・うまいものマップ・イベント等の資料を店内に設置して案内
E市民の交流・料理教室・食に関する発表の場として店内スペースを貸す事業の実施
料理教室の内容
弦斎料理の再現 村井弦斎著「食道楽」記載の料理を現代レシピで再現してみる
プロの手ほどき 市内で営業中のプロの料理人の技を、目の前で見て、味わい、学ぶ
食の歳時記 正月料理等、その時季にあわせたお料理をその意味と共に学ぶ
地のものを地の味で JAと共催し、平塚産農産物を使った家庭料理を伝える
世界の食卓から 平塚在住の世界各国の主婦がお国の家庭料理を紹介し国際交流を図る
市民講師登場 平塚在住の一般市民が近所で評判の得意料理を伝える
男の料理 男女に限らず、料理の初級を学びたい方向けの教室
おもてなし料理 普段のおかずがアイディアと工夫でおもてなしに変身する技を学ぶ
目からうろこ こんなに簡単にできるの!がテーマの簡単料理・加工食品づくり
和菓子・洋菓子 人気の和菓子・洋菓子を人気の和菓子店・洋菓子店が伝える
みんな集まれ 小学生・幼稚園児や小さいお子様を持ったお母様を対象とした教室
参考資料:村井弦斎著「食道楽」は明治36年に報知新聞に連載された人気小説で、平塚市在住時に執筆された。なお、村井弦斎は食道楽を通じて「小児には徳育よりも、体育よりも、知育よりも食育が先。体育・徳育の根源も食育にある」と表現しています。
料理教室開催回数と参加者の状況
2005年11月〜2006年10月までの1年間の教室開催数は96回、受講生は931名、講師数は33名(うちプロの料理人は16名、残り17名は一般市民。平塚市観光協会が制作した観光ポスターを題材に開催した「再現!東海道平塚宿旅籠の夕食膳」教室が中央紙に取り上げら、県内(横浜・川崎・相模原・厚木・横須賀・小田原・真鶴等)から78名(教室開催回数4回)もの参加がありました。
今後の事業展開
@中心的事業である「家庭料理教室」を行なうことで、同店が、市民や商業・農業・文化・福祉などの関係者が交流する拠点となりうる糸口が見えてきている。これらの糸を広げ、太いパイプにすべく事業展開することが重要である。
◎飲食・・「プロの手ほどき」シリーズ等を通じ、講師を務めることで自店のPRができることが理解され、講師を行なうことを申し出てくる飲食店が出て来た。
◎農業・・「地のものを地の味で」シリーズを通じ、JA湘南と共催で平塚産農産物を紹介するつながりができた。食と農の応援団の協力を得、教室が開催された。
◎市民・・「世界の食卓から」シリースを通じ、平塚市内の外国出身者との交流が図られており、食工房で「世界の料理フェア」を開催しようとの話が出ている。
◎福祉・・「もこもこ」(3才児未満の子と親が利用する施設)と、「親子をむすぶ手作り弁当」教室を通じ交流。今後、定期的に教室を開催することになった。
◎学童・・「目からうろこ:簡単料理」シリーズを通じ、小学校低学年向け学童保育として「水餃子」「ピザ」「味噌づくり」を実施。今後の展開が期待できる。
◎文化・・「再現!東海道平塚宿旅籠の夕食膳」教室が大きな反響を受けた。料理でなく、食文化に興味を持つ方が多いことが確認できた。
A今後とも事業が継続できる経営基盤をつくらなければならない。そのためにも、中心的事業である「家庭料理教室」以外の事業で副収入を得ていく必要がある。
・最近は商業者が当店に立ち寄って話をしていかれることが多くなった。また、七夕まつり関連等の会合が当店で行われるようになった。商業者支援といった面から「商店街連合会・商店会」や「観光協会」等の事務所を当店内に併設し、その賃料ならびに一部の事務委託を行なうことによる収入源確保の方策が考えられる。
・料理教室が開催されていない時間帯を有効に活用する方策として、「ギャラリー」として会場貸しを行なうことが考えられる。
「手づくり食工房」はおそらく全国で初めての試みであり、この工房を食の軸として、市民・農業・漁業・商業者等が参加する大きなネットワーク(交流の場)が誕生することで、個性豊かな街の創造と活性化に寄与していくものと考える。
|