応援団員の活動記録

2006/8月

【最新の活動記録】 【過去の一覧】

■「食農教育講座」2006第1回

日 時 2006年8月4日(金)〜6日(日)
会 場 長野県北安曇郡小谷村「信州・つがいけ食農学習センター」
主 催 (社)農山漁村文化協会
テーマ 使える!目からウロコの食農アイデア大作戦
参 加 約30名
内 容

【講座内容】

8月4日

 ・食農教育で地域に根ざした学校づくり 講師:伊澤良治(山形県・二井宿小学校校長)

 ・おばあちゃんの料理教室―おやき、ソバ 講師:池田玲子(長野農文協・右写真)

8月5日
 ・学校農園のうんちく講座 講師:堀内寿郎(長野農文協)

 ・廃棄物利用による栽培学習パワーアップ術 講師:竹村久生(静岡県・佐久間中学校教諭)

 ・「虫見枠」で学校円が10倍楽しくなる 講師:瀧沢郁雄(ひと・むし・田んぼの会)

 ・一品もちより わたしのとっておき食農アイテム:アイデア大集合

8月6日

 ・教えて堀内先生!学校農園の栽培計画づくりQ&A 講師:堀内寿郎(長野農文協)

 ・暮らしの達人のおばあちゃんを味方につけよう 講師:池田玲子(長野農文協)

 参加者は、小学校の先生を中心に、北は山形県、南は佐賀県など各地から来てくださいました。今回は、講師陣も現役の小学校の先生がお二人。現場体験に基づく話と実習が、参加者を大いに勇気づけていたようです。


★食農教育で地域に根ざした学校づくり


 山形県置賜郡高畠町の二井宿小学校校長である伊澤先生(左写真)からは、二井宿小と前任の和田小での地域を巻き込んだ食農教育の実践活動についてお話をいただきました。お話のなかで、「子どもたちの一生懸命な姿や教師の真剣な想いが地域を動かしていくのだ」と繰り返し語られていたのが印象的です。また、最後に「食農教育は実践の積み重ねも大切だが、体験で終わらせるのではなく、その体験を通した『学び』について意義付けしていくことが重要であり、この農業体験と知的学習を結び付けられるのが先生たちの役割なのだ」と力強く述べられました。



★食農アイデア授業のヒントが大集合

 静岡県浜松市の佐久間中学校教諭、竹村先生は、とてもパワフルに栽培学習について、たくさんの情報発信をしてくださいました。先生の学級では、ベランダでプランター代わりの発泡スチロールをつかった栽培学習を行っていて、工夫ひとつで農家も驚くような立派なキュウリやトマト、メロンまでもつくってしまいます。キュウリは「緑のカーテン」として、緑化や教室内の温度を下げることに貢献しています。「もぎたては甘い」と子どもたちにも大人気。そうした子どもたちに感動を与える栽培の授業実践に、土のない都会の学校の先生方は「なるほど。これは目からウロコ」と熱心に耳を傾けていました。また、参加者にはブロッコリーの種や卵パック、イチゴのペットボトル栽培の道具が配られ、2学期に向けた秋野菜づくりのヒントにしてほしいということでした。


 2日目の夜には、一品持ち寄りの食農アイデアとして、参加者の皆様から「超簡単パンづくり」「匂いで感じる」「家畜を授業に取り入れる」「郷土の漬物づくり」という4つの実践が報告され、有意義な情報交換ができました。


★田んぼの生き物から見える豊かな農村空間

 春は裸地、夏は湿地、秋は草原、冬は裸地と変化する田んぼの環境。そこには、カエルやヤゴ、タニシなど豊かなそして多様な生態系が存在しています。この生物の多様性こそが田んぼの環境に安定性をもたらしています。
 「ひと・むし・田んぼの会」の瀧沢先生(右写真背中)は、そんな座学と「虫見枠」という道具を使って、田んぼで生き物調査の実習をしてくださいました。「虫見枠を使うことで意識的に田んぼの生き物を観察できるが、それによって何が見えてくるかというねらいを、授業できちんと押さえておいてほしい」と先生方にアドバイス。
 水を張った田んぼ(8月の田んぼは水を落として中干しするのが一般的ですが、今回の生き物調査のために特別にこの時期まで水を張っておいていただきました)に素足で入った参加者の方たちは、タニシやナカムラオニグモなど、さまざまな生きものを発見していました。


★上滑りしない食農教育のために

 講座の最後に、池田玲子先生から、「都会の先生に伝えたい、農業・農村からみえる食農教育」についてお話ししていただきました。今までは、「技術」(栽培・農学など)や「生体」(健康・栄養など)の側面で語られることが多かった「食」ですが、本来は生産から消費まで一連のつながりがあり、食農教育では、「このほかに「経済」(需給・食糧経済学など)や「食生活」(食習慣・民俗学など)の側面も加えた「複眼的」な視点で捉えていかないと、子どもたちに伝えなければならない「食文化」の本質の部分が隠れてしまうということを、強調されていました。例えば「ソバ」一つとっても、世界は広がります。ソバのタネの形は三角すいで、斜面でも芽を出すこと、ハレとケの食としてのソバ切りやソバガキ、自給率や栄養素ルチンについてなど、そこにはさまざまな切り口があります。生産から食卓まで、すべての暮らしのなかで食と農に関わってきた農村女性、池田先生のお話は、参加者に「上滑りしない食農教育のためには、暮らしの視点も見据える必要がある」と感じさせたようです。

参加者の感想

 どの講座も、内容の違いこそあれ、深められました。それぞれの講師の方々の理念が伝わってきました。食育、食農教育の大切さも改めて実感しました。池田先生が語られるように、人として生きていくなかで、自分の故郷を愛し、先人の知恵を大切にし、自然とともに生きることの大切さを、子どもたちに語っていくつもりです。


■「食農教育講座」2006第2回

日 時 2006年8月11日(金)〜13日(日)
会 場 長野県北安曇郡小谷村「信州・つがいけ食農学習センター」
主 催 (社)農山漁村文化協会
テーマ 達人に学ぶ!五感をみがく食農まるごと体験
参 加 約20名
内 容

【講座内容】

8月11日

 ・食農教育で伝えたい!おばあちゃんのメッセージ 講師:池田玲子(長野農文協)

 ・散歩の達人に学ぶ!楽しい草玩具講座 講師:佐藤邦昭(玉川学園小学部教諭)

8月12日
 ・ミラクルフルーツで味覚の常識が覆される 講師:島村光治(味覚修飾植物研究家)

 ・調理の達人に学ぶ!ニュージーランドの民族料理ハンギに挑戦 講師:土屋清美(つがいけセンターシェフ)・佐藤知行(日本アウトワード・バウンド協会)

 ・夜なべクラフト体験道場

8月13日

 ・わらでつくる信州の暮らしクラフト 講師:相沢啓一(長野農文協)


★暮らしの視点にたった食の「志」を伝えたい

 トップバッター、池田先生からの「おばあちゃんのメッセージ」は、生活改善普及員として40年にわたり地域の食生活の変遷を目のあたりにしてきた経験に基づくお話。従来の一日30品目という科学的な栄養指導という一面で切り取るのではなく、食文化や暮らしも含めて複眼的な視点から食の大切さを地域の子どもたちに伝えていくことが大切であるというものでした。


★遊びにも伝えたい知恵や技がある

 玉川学園小学部の佐藤先生は、日常生活のなかで自然とうまくつきあい、そのつきあい方を子どもたちにもやさしく、丁寧に伝えてくださる先生でした。近くを散歩しながらの「草玩具講座」では、身近に咲いている草花を利用した遊びを通して、日常生活のなかで自然を観察する力や五感を研ぎ澄まして感動することの大切さを学びました。
 「子どもたちの一番の関心は食べること、次は遊ぶこと」と佐藤先生。今回教えていただいたススキを利用した草鉄砲や柴笛も、かつては地域のガキ大将が子どもたちに子どもたちに教えていたもので、教科書や説明書があるわけではなく、口伝えで継承されていました。しかし、今はこうした「縦の関係」が弱まり、同じ学年だけという「横の関係」が強くなることで、こうした遊びを伝えるという習慣もなくなってしまったわけです。だからこそ、こうした昔からの暮らしの知恵や技を伝え残さねば、と、全国を回りながら見たこと、聞いたことを書き留め、本にして伝えていきたいと語られていたのが印象的でした。 細長い草を組み合わせて少しずつ折り曲げていくと馬ができあがったり、わらを編んで素敵な一輪挿しをつくったりと、夜遅くまで参加者の興味は絶えず、先生を離しませんでした。


★日本人が本来もっていた「うま味」を伝えたい

 高校生のころから「味覚」について興味をもっていたという島村先生(左写真)。味覚修飾植物とは、一時的に味覚を変えてしまう植物のことで、ギムネマやミラクルフルーツがこれに含まれます。たとえば、ギムネマの葉を噛んで下に擦りつけた後、チョコレートを食べると甘味がなく粘土のようになるし、同じく甘味の感じられない砂糖は砂のよう。味覚障害の疑似体験ができました。またミラクルフルーツの実をなめた後は、ものすごく酸っぱいレモン果汁がとても甘い!驚きです。この実は、糖尿病患者に利用できるとのことです。
 本来、味覚には「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」そして「うま味」の5つが存在していますが、ダシの味に代表される「うま味」は、日本人が発見したのだそうです。この日本型食生活がもっていたおいしさの一つでも「うま味」を伝えていかなければならないこと、そのためにも味覚形成期である乳幼児からの食生活が大切さなことを話してくださいました。




★ほんもの体験が食と農の学びを深める

 2日目の午後に野外で行った「ハンギ料理」は、ニュージーランドの先住民、マオリ族からおそわった料理で、肉や野菜、果物をまるごと葉でくるみ、焼いて熱くなった石とともに地中に埋めて蒸し焼きにするものです(右写真)。塊の豚肉や丸ごとの鶏などの下ごしらえは、大人たちが調理場でやっておきました。また、子どもたちも加わって、農園では「この野菜のつき方、何かヘンだぞ」と思った野菜や果物を見つけ出す楽しいゲームも行われました。
 調理器具や器のない時代の先人の知恵に、どのような料理ができあがるのか、参加者はみな興味津々。豪快な作り方でしたが、できあがりのおいしさに大いに盛り上がりました。

参加者の感想

 子どもたちに伝えたいすばらしい日本の食農文化を私ども大人が学び、伝えていくことの意味を強く感じました。


■食育シンポジウム「体験から『食育』を! ―家庭・学校・地域が一体となって―」

日 時 平成18年8月24日(木)
会 場 熊本市「くまもと県民交流館パレア」
主 催 食を考える国民会議、九州農政局、くまもと食の安全・食育推進県民会議、熊本県、熊本市食育推進ネットワーク連絡会、熊本市、くまもとの食・農・健康を創る会
参 加 約300名
内 容



基調講演

「子どもたちを台所に立たせよう!―子どもたちの『心の空腹感』を埋めたい―」

  竹下和男(香川県高松市立国分寺中学校校長)







朗読劇上演「『いただきます』が言えた日」


パネルディスカッション「体験を通じた実践者による活動報告、討論」

【パネリスト】

 竹下和男(基調講演)

 小崎孝子(ふたば幼稚園園長)

 中島明美(グリーンコープ生活協同組合くまもと理事長)

 橋口孝久(鹿児島の食農育と地域連携を考える会世話人)

 松本珠美(上天草市立上小学校学校栄養職員)

【コーディネーター】

 畠 幸司(九州農政局消費・安全部長)



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