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司会 保田茂(ひょうごの食研究会幹事長・兵庫農漁村社会研究所代表)(写真左下の右端)

報告者 渡邊大直(兵庫県農林水産部畜産課課長、写真右上の左) 蓬莱善子(兵庫県女性農業士・三田市肥育牛農家、写真右上の右)
報告1「牛肉をめぐる最近の諸情勢」(渡邊大直)
(報告の概要)
高度経済成長の時代に牛肉の消費量が増えたが、増加するその消費を支えたのは輸入牛肉だった。
昭和50年頃は70%が家庭消費だったが、現在は家庭消費の割合が減り、外食が6割弱となっている。
オーストラリアは牛肉の純輸出国だが、アメリカは世界第1位の牛肉輸入国。輸入しているのはオーストラリア・カナダからが多い。そのカナダからの牛肉がBSE問題で輸入できなくなり、アメリカの牛肉は高値基調。それでもアメリカが牛肉を日本に輸出したがるのは、日本人の嗜好に合わせて穀物で育てた牛を、国内用とは別に飼育しているから(アメリカの牛肉輸出の6割は日本と韓国)。
国産牛には黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種がある。
兵庫の地元の牛である但馬牛は鎌倉時代の資料に記載がある。体は小さいが足腰が強く、山間地でも飼いやすい。そのためか現在、国産牛の約47%が但馬牛の血統。他県の牛では鳥取30%、岡山12%、島根5%、広島約3%と、国産牛のほとんどには中国地方5県の牛の遺伝子が入っている。
但馬牛の脂はとろりとした味だが、飼養期間が長く、枝肉重量が少ない。この点の改善が課題。
シカ・イノシシは牛のテリトリーを侵さないため、但馬牛を棚田の耕作放棄田に放して、シカ・イノシシ害の予防と耕作放棄田の管理を行う試みがはじまっている。

報告2「ニュータウンの近くで牛を飼う大切さ」(蓬莱善子)
(報告の概要)
牛肥育専業農家で、ホルスタインに和牛をかけあわせたF1を330頭、和牛を50頭飼養。平成13年まではF1のみだったが、14年から肉質がよく単価の高い肉牛生産をめざし、和牛を導入。
牛舎や堆肥の悪臭対策としてEM菌を使っている。高度経済成長の時代には、「臭いのために土地が売れないから出て行ってくれ」と地元の人に言われ、悔しい思いをしたことがある。
子育て支援と地域農業の理解者を育てるために、子どもたちの体験学習を積極的に受け入れている。BSEが大きな騒ぎになったときは、受け入れる予定をしていた地元の中学校1年生の、総合学習における聞き取り調査の質問項目が狂牛病一色になり、「牛は100%安全か、この牧場で狂牛病がでたことはあるか」といった質問まであったため、調査の受け入れを拒否したが、担当の教師が誠実にわびたため受け入れた。結果として、生徒たちは、うわさに流されるのではなく、生産の現場をちゃんとみることの大事さを学んだ。
関西学院大学総合政策科の先生が、三田市のシャッターのおりた商店街を活性化するために、空き店舗を活用して直売所を作ろうと呼びかけたのを受け、総合政策科のゼミ生と一緒に直売所の開設に取り組んでいる。三田市内にはパスカル三田という大きな直売所があるが、そこまでいけないお年寄りをお客の対象にする直売所にしたい。(文責:ひょうごの食研究会事務局)
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