ハウスの掃除は風まかせ
筆者。不織布をぶら下げたハウスの前にて 内田正治
POフィルムも2年目は汚れる
100棟ほどのハウスでスイカ・トマト・軟白ネギを栽培しています。とくにスイカの促成栽培は保温と採光が重要ですのでハウスのビニールは毎年張り替えるのが常識です。よい物をとるには必要なことでした。ところが資材価格の高騰とスイカの価格低迷が続き、生産者の手取り分は圧縮される一方です。また、ビニールの張り替えは多くの人手が必要で大変な作業です。そこで最近はPOフィルムで3〜5年は張り替えない農家が増えてきました。しかしここで問題になるのがフィルムの汚れです。2年目となると光の透過率がかなり落ちてきます。
スイカはミツバチを使って交配しますが、光が当たらないと雄花の花粉の出も悪く、雌花の充実も悪くなります。
不織布をぶら下げるだけ
フィルムを洗浄するという方法があり、ハウス洗浄用のブラシや動力を使った洗浄機も市販されています。しかしどれも大変な労力が必要で高価。また、POフィルムは強く擦ると傷がつき、曇りガラスのようになってしまいます。そこで考えたのが、まったく人手を必要としない安価なクリーナーです。
構造はいたって簡単でマイカー線を使ってハウスの頂上部に不織布を取り付けるだけ。サイズは幅90〜135cm程度、長さはハウスの頂上部から肩までのもの(2mくらい)を、3m間隔に設置すれば完了。あとは風が吹くのを待つだけです。
取り付けてから1カ月で効果が見えはじめ、2カ月ほどでかなりの汚れを落とすことができます。
光が欲しい冬に取り付ける
風がない日は効果が出ないことと動力を使わないために激しい汚れを落とすことはできないといった問題点はありますが、栽培するうえで困るような汚れは十分に落とすことができます。
不織布は電化製品のコードを束ねるようなバンドで端を止め、マイカー線に繋げると便利。風が吹くとこっちへきたり、あっちへいったりして汚れがとれる。ちなみに不織布は200m巻きで6000〜8000円。これで100本のクリーナーがつくれる。5年は使えるので安上がり 光が貴重となる10月頃に取り付けて、翌春の3月頃、キレイになったら外すのがベストだと思います。
このやり方を思いついたのは自家用のブドウのハウスでの出来事がきっかけです。使い古しの古いビニールでハウスの頂上に穴が開いており、そこからブドウの枝が2mほど出ていました。台風が来た翌朝、ブドウの枝の出ていた部分が直径4mほど、汚れがすっかり落ちてピカピカになっていたのです。一晩中吹き荒れた風雨で枝が叩き付けられ、汚れを落としたのでしょう。これをヒントにいろいろな素材をハウスの屋根に付けて、いまの形がいちばん効果があると確認しています。
(千葉県山武郡芝山町)
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「不織布でハウスの自動掃除」の動画(内田さん撮影)をルーラル電子図書館でご覧になれます(http://lib.ruralnet.or.jp/)。
この記事の掲載号『現代農業 2010年7月号』特集:草と葉っぱの売り方ノウハウ
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